民法改正
民法(債権法)が約120年ぶりに改正され、その内容が大きく変わりました。
改正前の民法は、1896年(明治29年)に制定され、2004年に小規模な改正(現代語化や保証契約について一部内容を補充するもの)が行われた以外は、ほぼ制定時のまま条文が残されています。
そのため、以前から以下のような弊害が指摘されていました。
① 社会・経済の変化に適応できない
123年間の間に、社会・経済は「(流通網の整備やグローバル化に伴う)取引量の増加」「取引内容の複雑化・高度化」「高齢化」「情報伝達手段(インターネット)の発展」など、様々な面で大きく変化しました。
これらの変化を受けて、民法ではカバーできない取引類型が現れたり、民法に規定されていても時代のニーズに合わない条項などが発生しています。
② 条文を見ても詳しいルールが分からない
123年間の間に多くの裁判が起こされ、判例の蓄積を通じて、取引に関するより具体的なルール(判例法理)が確立されるようになりました。
しかし、これらのルールは法律に記載されておらず、法律を読んだだけでは詳しい内容が分かりません。
このような背景を受けて、改正法では、「社会・経済の変化への対応」「国民一般に分かりやすい民法とする(判例による不文律を明文化する)」ことを主眼に、約200か所に亘る修正がなされました。
Q 改正民法(債権法)について、重要な改正点を教えてください。
A 今回の改正点は多岐にわたりますが、主要なものとして、
① 消滅時効に関する見直し
② 法定利率に関する見直し
③ 保証に関する見直し
④ 債権譲渡に関する見直し
⑤ 約款(定型約款)に関する規定の新設
⑥ 売主の瑕疵担保責任に関する見直し 、などが挙げられます。
新たな民法は、一部の規定を除き、2020年4月1日から施行されます。
以下では、項目を分けて、主要な法改正の内容をご説明していますので、ぜひご参照ください。
➡ 消滅時効
➡ 法定利率
➡ 保証
➡ 売買・請負・賃貸借
➡ 定型約款