債権回収

Q 取引先が売掛金を支払わない場合には、どのような対応ができますか?

A 支払日を過ぎても取引先からの入金がない場合には、以下のような方法を取ることができます。

①内容証明郵便による督促

発送した文書の内容が記録に残る「内容証明郵便」により、取引先への督促を行います。

②相殺による回収

取引先に対する買掛金がある場合に、売掛金と買掛金を相殺します。

③自社商品の引揚げ

取引先との契約を解除したり、契約書の「所有権留保」の条項を根拠として、既に引き渡した商品の返還を求めます。

もし取引先が商品の返還に応じない場合には、裁判所に対し、転売や第三者への引渡しを禁止する「仮処分」の手続を申し立て、その後、取引先に対して商品の引渡しを求める裁判を起こすこともあります。

④財産の仮差押え

取引先に財産(預金、不動産等)があれば、裁判所に対し、仮差押命令の申立てを行うことができます。

差押え(以下⑤)を行うには、原則として先に民事裁判を起こす必要がありますが、その間に相手が財産を費消してしまうリスクがあります。そのため、一定の場合には、相手の財産を「仮に」(=民事裁判前に)差し押さえることが認められています。

⑤民事裁判・差押え 

取引先に対し、売掛金の支払いを求める民事裁判を起こします。民事裁判が終了した後は、売掛金の支払いを命じる判決に基づき、取引先の財産を差押えることができます。

上記の②~⑤については、法律上の条件が定められていたり、手続きに当たって留意が必要な点がありますので、お困りの場合にはお近くの専門家へご相談ください。

Q 取引先が倒産しました。売掛金が未回収ですが、今後はどのような手続になりますか?

A 法律上の「倒産」とは、取引先が、裁判所から破産や民事再生等の開始決定を受けたことをいいます。この場合には、以下のような手続が取られます。

【破産】

破産手続が開始した後は、原則として、それまでに発生した売掛金を自由に回収することができません。今後は、裁判所の手続に従い、破産管財人から配当を受ける必要があります。

但し、一定の条件を満たす場合には、取引先に対する売掛金と買掛債務を相殺することができます。

また、別除権(べつじょけん)(例:商品を売買した場合に発生する動産売買先取特権、契約に基づく所有権留保など)があるときにも、破産手続とは別に売掛金の回収を受けることができます。

取引先に財産が残っていない場合には、配当なく破産手続きが終了します。

【民事再生】

民事再生手続が開始した後は、同様に、それまでに発生した売掛金の回収が制限されます。今後は、裁判所が認可した「再生計画」に従った返済を受けますが、大幅な減額が行われることが多く、返済期間も長期化します。

再生計画に定められる返済期間は、原則として、法人の場合には再生計画の認可決定から10年以内、個人の場合には3年以内です。

また、民事再生の場合でも、相殺や別除権の行使をすることができます。

相殺や別除権の行使については、法律上、手続き条件が定められていますので、お困りの場合にはお近くの専門家へご相談ください。

Q 取引先が破産しました。取引先に対する売掛金と買掛金を相殺したいのですが、何か注意すべき点はありますか?

A 破産手続が開始した時点で、取引先に対する売掛金(債権)と買掛金(債務)の双方がある場合には、原則として相殺ができます。但し、以下のような場合には相殺が禁止されますので、ご注意ください(破産法71条、72条)。

① 取引先が「支払停止」や「支払不能」に陥ったことを知りながら、取引先に対する債権を取得したり、債務を負担した場合

② 取引先が破産手続開始の申立をしたことを知りながら、取引先に対する債権を取得したり、債務を負担した場合

③ 破産手続開始決定後に、取引先に対する債権を取得したり、債務を負担した場合

「支払停止」とは、例えば、取引先が債権者に対し、「資金不足で支払いができない」ことを告げたり、事業所や店舗等を閉鎖したり、弁護士を通じて債務整理の受任通知を送付した場合を指します。また、「支払不能」とは、取引先が支払能力を失い、債務を弁済できない状態をいいます。

そのため、取引先が破産することを知り、慌てて知り合いから売掛金を譲り受けたような場合には、相殺はできません。

なお、上記①②の場合でも、法定の原因等に基づくときは、例外的に相殺が認められます。

他方で、当事者間で「相殺禁止」を合意した債権や、法律で定める差押禁止債権(給料・退職金の一部、年金等)等との相殺は禁止されるなど、相殺については様々な条件があります。

もしお困りの場合には、お近くの専門家へご相談ください。


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